鳥取から東京に向かう途中、深夜の夜行バスの中で眠れないままに色々考えていた。
いきなり暗い話になってしまうかもしれないが、5年ほど前にうつ病のような状態になった。
この”ような状態”というのはつまり、完全なる自己診断で、特に病院に行ってうつ病だと言われた訳ではないからだ。
当時僕は東京で兄と共に住んでいたのだが、袂を分ち、もう少し落ち着いた所に住みたい、ということから神奈川県の小田原に引っ越した。
詳しくは書かないけどその頃様々なことが重なり、ひたすらの自己嫌悪、仕事も憂鬱で、東京にいることにも兄と暮らすことにも嫌気がさしてしまったのである。
住む場所を変えたからといって劇的に症状が改善する訳でもなく、ほとんど突発的かつ無計画な引っ越しだったために、無かった資金を消費者金融から借り入れ、仕事もなかなか見つからず、といった状態で、大分苦難の船出となってしまったのだが、それでもあの時思い切って小田原に行ったのはそう悪い判断では無かったと思う。
(それから体調は徐々に回復し、3年の小田原での生活が終わる頃には借金も返し終えて貯金ができる位にはなった)
その頃このブログとは違うブログをやっていて、そこやツイッター上でうつ病であることをカミングアウトし、自分の状態や考えていることを書いていたのだが、読んだという知り合いや友達からは「暗い」「憂鬱になる」などと言われたりし、僕自身も周囲に対してハリネズミのような状態になっていて、理解されないことに対する憤りや苛立ちから声をかけてくれた人を攻撃したり、どんどん孤立していった。
今となっては、その人たちなりに僕のことを理解しようと努めていたり、考えてくれていたんじゃないかと思うけど、当時の自分にはその気持ちを汲み取れるほどの余裕がなかった。
その時のブログも、僕にとっては泥まみれの中で必死に希望を見出そうとするような、そういうつもりで書いていたんだけど。
そういう意味では切実なものだったけど、自分の中のドロドロした部分や本当に考えていることはあまり出さない方がいいのだと徐々に思うようになり、やめてしまった。
多くの人々は明るく楽しく幸せに生きたいと願っているはずだし、自分だってそうで、できることなら読んでくれる人に少しでもそうなってもらえるようなものを書きたいと思い、色々試行錯誤してみたけど、どうしても上手くいかない。
散々迷って考えて、何時間もかけて書いたものをまた「暗い」と言われるんじゃないかと思って結局消してしまったり、そんなことを繰り返してほとんど筆は進まず、普段の生活の中で特に書きたいと思う出来事やトピックもなく、といった感じで今に至る。
ここで最初に戻るが、本当につい先日、深夜のバスの中で思った。
できないことは仕方がない。
でも文章を書くことを諦めたくない。
それなら少なくとも、嘘っぱちじゃなく自分自身にとってリアルなものを書きたい。
自己満足では終わりたくないけど、他人の評価に怯えていても前には進めない。
自分の必要だと思う文章を書いていくしかないのだ。
そう考えるようになったら少し楽になった。
僕より文章の上手い人、素晴らしいものをかける人は山ほどいる。
毎回自分の書いたものの出来の悪さに落ち込む。
でも僕の中に何かを”書きたい”という欲望がある以上、それと向き合わなければいけない。
そうしてできてきたものが「暗い」と評価をされるのなら、もうそれは僕にはどうしようもない。
どこまでいっても自分は自分で、それ以外のものにはなりようがないんだから、誰に
望まれても、そうじゃなくても、生きていくのと同じように、文章を書いたり、音楽を作っていくしかないんだと思う。
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