天高く馬鹿肥ゆる秋

いやー、出た出た。


何が出たって?出ましたよ、悪玉コレステロール。


こないだの健康診断の結果が送られてきて、再検査三ヶ月以内に、だとよ。

行きますよ、病気怖いから。行けばいいんでしょ!


これも全部、神様仏様二郎様のおかげ、かどうかはわからんが、とにかく、生きてきて初めて健診で引っかかったので、わりとショックではある。

しかも悪玉コレステロール、動脈硬化になるらしいよ。


それと関係あるかはわからんが、ここ最近豚骨ラーメンと二郎をあまり間隔開けずに食ったら、それから胸焼けがおさまらず、夜は寝れんし気持ちは悪いしですっかり憔悴し、脳内でのラーメン食いたい願望と体のついて行かなさでストレスは溜まり、余計体調は悪化する、て悪循環で、仕方ないので帰り道にあるうどん屋に食いに行った。


肉うどん、カレーうどんなど色々なメニューがあったが、店のオススメとあったスペシャルうどんを頼んだ。

1120円と他に比べて高めだったのであるが、溜まったストレスには関係なく、男ならスペシャルやろ、行ったれ行ったれ!みたいな感じで調子に乗って頼んでしまった。


食券買って渡した後、店内にスペシャルうどんの写真と共に「オススメのスペシャルうどん、肉、茄子、キノコ入り」と書いてあるのを発見して、あちゃー、しまった、と思ったのである。


キノコ、と書いてあるが、この写真を見る以上、ほぼ間違いなく、そのキノコとは椎茸である。

そして自分は椎茸が食えない。つまり偏食である。


調子に乗ってスペシャルなど頼まず、普通の肉うどんにしとけば良かった、と思ったが、時すでに遅し、店員さんはすっかり調理に取り掛かっている。


しかし食わない椎茸を無駄にさせるのも申し訳ないし、こっちとしても椎茸の味のついたスープを飲まされるのも嫌だったので、店の人に声をかけた。


「すいません。すいません!このつゆに椎茸って入ってますか?もし入ってたら抜いてもらいたいんですが」

「えっそうなの。もう入れちゃった」

「あ、そうですか…」

「でも大丈夫、うちの椎茸ちょっと違うから。嫌いな人でも食べれるっていうから。お兄さん、椎茸嫌いなの?」

「そうですね、ほぼ唯一食べれないのが椎茸で…」

「実は俺も嫌い。でもうちのは食べれるんだよ!」

「はあ…」


そういう問題でもないとは思ったが、入れてしまったものは仕方ない。

椎茸入りスープを食すのみである。


「はい、おまち!一応見える範囲のは取っといたから!でも多分うちのは食べれるよ!」


とりあえず食べ始める。

幸いあまりスープに椎茸の味はしない。

昔(小学生の頃)市販のそうめんつゆに入っていたしいたけエキスがダメでそうめんが食えなかったことを思うと、本当に不幸中の幸いであった。


しかし中にはやはり奴らが混ざっており、店員さんの言う通り、食えるかもしれないし少し食べてみようかな、とも思ったが、いざ箸で持ち上げてみるとなかなか大きな切り方で、口に持っていく勇気がどうしても出なかった。

そもそももう一生食えるようにならなくてもいいや、と思っているものなので、別に無理して食わなくてもいいのである。


ちなみに椎茸というのは嫌いな人も多いが、非常に好きな人も多い印象で、大体好物だという人は「あんなに美味しいのに」とか言い「大人になったら味覚が変わるから食べれるようになっているかもしれないよ」などといつも惑わすようなことを言ってくるが、その手には乗らない。


そういう人たちは自分がどれだけそれを食えないか知らないからそんな適当なことを言うのであり、今後一切自分と彼ら(椎茸)が和解することはありえない。

それはリンゴが地面に落ちるくらいの厳然たることであり、リンゴが勝手に空へ飛んでいくことが無いのと同じことなのである。


また自分も、他人が嫌いで、自分が好きなものに対してはそういう発言をしがちなので気をつけたいと思う。

「信じられない」「人生損してる」

そんなこと、誰にも他人に言われる権利も、言う権利もないのである。


まあとにかく、しばらくラーメンは食えん。それだけ。

怪 楽 庵 web

宅録ユニット・怪しからんの運営する、たのしいWebサイトです。

0コメント

  • 1000 / 1000