自分は今37歳であるが、これまで正社員としてどこかの企業で働いたことがない。
契約社員は一度だけあるが、バイトからの繰り上がりであり、それもわずか九ヶ月でやめてしまった。
それ以外は全てアルバイトであり、現在も警備員のアルバイトをしている。
就職するという選択やタイミングがなかった訳ではないが、つい最近までそうやって落ち着くことを拒否っていた節があり、どうもどこかへ「就職する」というのが嫌だったし、怖かったのである。
何故そうだったのか、今の自分にはよくわからないのであるが。
とにかく音楽を優先順位の先に置いていて、その割には全然頑張れていなかったのだが、バイトの状態で頑張れていないのに、就職したら余計無理だろうという思い、中途半端に仕事してもダメだろうという思い、責任ある立場になりたくないという思い、まあ色々あったにはあった。
とにかく「責任」というものから逃げていたかった。
自分は一般的な人の歩む道を拒否ってしまったのだから、正攻法ではダメで、自分で何とかしなければ、自営して食えるようにならなければ、とも思っていた。
その気持ちは全くなくなった訳ではないが、とにかく、金がない。
ライブや音楽制作するのには、ある程度金がかかる。
時間も必要だが、機材、スタジオ代、ライブの出演料などなど、出費が多い。
好きなレコードやCD、本などもろくに買えず、生活を維持するのにいっぱいいっぱいで、このままこの状態を続けても、どうやら先は見えない、ということにようやく気が付き始めて、去年出したアルバムも全然であるし、何かマネタイズできそうなものが、何もない。
となると、音楽を続けるためには、別のことで収入を得るしかない。
バイトを掛け持ちしたりするのも面倒だし、それならいっそ、就職するしかない、と思い始めた。
ということで、最近就職活動をしている。
しかし、なかなか厳しい。
まず経歴で弾かれる。
37歳の、高卒、社会人経験皆無、資格や何かしらの専門的な知識もなく、ワード・エクセルすらまともに使ったことのない人間が、一体どこに引っかかることができるのか、さっぱりわからない。
まあでもそう文句ばっかり言っていても始まらないので、とにかく気になったものに応募し続けるしかないのだが。
学生時分に就活をやった人々は、たくさんの企業を受けて落とされたり、なかなか決まらなくて落ち込んだり、といった経験を経て就職し、様々な企業で活躍しているのだと思う。
少し前に六件ほど気になった求人に応募して、返信があったのが三件、うち二件は断りの連絡で、一件だけ書類選考となった。
そして今日その結果が送られてきたのだが、見事不採用で、ショックだった。
たった一件だけでショックなのに、大学まで出て就活して何十件も落とされる、というのはかなりの精神的打撃になるのは容易に想像できる。
就活を見事乗り切った方々はすごいな、とこの歳になって初めて実感している。
書類選考で落とされるということは、あなたとは会う必要すらありません、ということだ。
履歴書、職務経歴書の作り方に問題があった可能性もあるが、おそらく一番ネックになったのは経歴の部分ではないかという気がする。
その辺は採用担当者に直接話を聞いてみなければ本当のことはわからないが、以前地元の職業訓練校に通っていた時に一度面接した企業の人に、この経歴ではとても選ぶことができない、と言われたことがあった。
とにかく、社会的には随分と損な方向の生き方を選んできたことに今さら気づいていて、しかしたぶん少し前の自分はそんなこと、全然聞く耳持たなかっただろうな、ってこともよくわかっている。
もしかしたら自分は少し大人になったのかもしれないが、それが遅すぎた感は否めない。
しかしそんなことを言っていても仕方ない。
自ら金を稼ぐ手段が見つけられない以上、どこかへ就職することは避けられないだろう。
ということで、クソみたいな経歴のクソ人間でも雇ってやってもいいぜ、という人手不足の企業の方、もしいらっしゃいましたら是非ご連絡くださいね。
私、最低年収五百万円希望です。よろしくお願いします。
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