去年のコロナ自粛以降、特にYouTubeを頻繁に見るようになった。
元々疎かった自分のような人間にも好きなチャンネルなどができ、知っている芸能人の方々も結構な数YouTuberデビューをしたりと本当に楽しませてもらっているし、もはや軽く中毒といってもいいくらいかもしれない。
朝起きてもYouTube、家へ帰ってもYouTubeで、自分でもチャンネルを持っているし、MVや音源も載せている。
無料で多くの人が楽しめ、また多くの制作者にとってちゃんと利益になっている、という意味でも良いことだとは思うのだが、どうしても気になることがある。
…それは広告である。
どうも、あまりにもひどい広告が多すぎるのだ。
大体多いのは、薄毛・肥満等のコンプレックス改善系、これは儲かったという実録ネットビジネス系、そして陰謀論や歴史修正主義的な内容を説くプロパガンダ系である。
特にプロパガンダ系の広告は以前はほとんど見かけなかったのに、どんどん増えてきているように思う。
この広告類は非常に目障り・耳障りなノイズであり、ならばプレミアム登録して広告が出ないようにすればいいではないか、と思われるかもしれないが、問題はそこまで単純ではない。
YouTubeプレミアムに登録する人、つまり様々な分野・種類のサブスクリプション・サービスが存在し、それに比例して月々の固定費が上がっており、さらに貧富の差が広がり貧困世帯が増えていると常々言われてきたのに追い打ちをかけるようなコロナ不況の中で、基本的に無料で見られるYouTubeに月々¥1180を払ってそれを登録する人、というのは、よっぽどYouTubeプレミアムを必要と感じているか、そこにそれだけ払っても問題ないという金銭的余裕のある人ではないだろうか。
個人的にはYouTubeプレミアムというサービスに今の所そこまでの魅力を感じていないのが、正直なところである。
YouTubeを視聴するほとんどの人は、これらの広告を5秒ほどで飛ばすか、見るか、わからないが、とにかく目にする。
百歩譲って、コンプレックス系・ビジネス系などは実際に効果のほどは(試してないので)わからないが、仮に失敗したとしても自己責任という風に片付けることができるかもしれない。
詐欺などの犯罪に関わってくるとまた話は違ってくるが。
しかしプロパガンダ的な広告はいただけない。
もちろんそういうものが望まれているのだから、という人もいると思うし、そういった本などが事実売れているからあれだけ広告が出ているのだと思うが、それでも一部のYouTubeプレミアム登録者(つまり金銭的余裕のある人)以外の人々の中にはそういうことに感化され、陰謀論や、歴史修正主義的な思想を抱え込む人が増えてきたりはしないだろうか。
もちろんそういう広告ばかりではないかもしれないが、貧困に喘ぐ人々、余裕のない人々ほどそういった方向でガス抜きや思想の偏重が行われ、ナショナリズム的機運が高まっていった先にあるものは、すでに先の大戦が証明している。
日本もすでにそうだが、アメリカのトランプ主義による大きな分断のような流れを、更に助長することになる可能性が高いのではないか。
そう考えると、視聴者・制作者含め、全てのYouTubeに関わる人々はそういう流れに一役買っていることになりはしないだろうか。
それは本当に由々しき問題である。
そりゃあYouTube以外でもそういったことはあるだろうし、もっと酷い所はあるかもしれないが、今やこれだけ支持を得ているサービスが、こういうことを助長する流れを野放しにするのはあまりにも危険だと思わざるを得ない。
動画に対する色々な規制は強まったという話は聞くが、それならばこのような広告を頻繁に流す状態の方がよっぽど規制すべきことではないのか?という疑問を抱く。
ということで、自分はYouTubeに対して距離を置こうと思い始めている。
そしてそれだけではなく、YouTube、つまりグーグルに対して、このような状況が変わっていくように抗議をしていくつもりである。
無名の一個人の力でどれだけの効果があるのかわからないが、みすみす放っては置けないだろう。
真面目でかつ政治的な内容になってしまったし、賛否色々とあると思うが、今の自分としてはこう考えている。
誰もがYouTubeとの付き合い方について、今一度考え直してみる必要があるのではないだろうか。
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