愛と勇気だけが友達

この前職場でアンパンマンの話になり、一緒に話していた人から、アンパンマンを嫌いな子どもが一人もいない、丸で構成されているのが親しみを生んでいるのでは無いかと言われている、などの説を聞き、このキャラクターのことが急に気になり始めた。


ということでウィキペディアで調べてみたところ、思った以上にすごいキャラクターであることがわかった。


アンパンマンは自らを食べ物として差し出すが、決して自身は食事をしないという、徹底した自己犠牲の精神、悪を排除しないという多様性の精神を持ち、アンパンマン自身の弱さについても哲学があり、物語中で使用される動力は全てクリーンエネルギーという、エコロジー的思想まで内包されている。


やなせたかしさんは1919年生まれということで、第二次大戦の終わった頃には20代半ば、しっかりと従軍もしている。

アンパンマンが生まれたのが1969年ということなので、その時やなせさんは50歳ということになり、その歳のおじさんが子どもたちに愛される国民的キャラクターを生み出したことにびっくりする。


ちなみに同じ年に生まれたのはJ.D.サリンジャー、田端義夫(この二人は同じく1919年1月1日生まれだとか。すごい)ナット・キング・コール、ジョージ・シアリング、加藤周一、アート・ブレイキー(音楽関係多いな…ジャズエイジって感じだ)、金子兜太、宮澤喜一など。


2013年に94歳で亡くなっているが、水木しげるさん(1922年生まれ)より三つ上、安岡章太郎さん(1920年生まれ)より二つ上、手塚治虫さん(1928年生まれ)とはほぼ十も離れているということで、何だかもう自分の中での時系列がぐちゃぐちゃになってきた。


自分は1984年生まれで「それいけ!アンパンマン」の放映開始が1988年、初回放送を見た記憶があり、保育園にもアンパンマンの絵本シリーズやアンパンマントランプがあって、とても流行っていた。

ちなみに僕はなぜかおむすびまんが好きで、トランプの中の四つのエースは、アンパンマン、カレーパンマン、しょくぱんまんとおむすびまんで、おむすびまんのエースが手元に来たら小躍りして喜んでいた。


アンパンマンは一応アンパン部分に顔があるが、おそらく本体は身体部分であり、顔の一部を誰かにあげたり、水に濡れると弱ったりするということは、身体部分の栄養源というか、活動エネルギーを頭部のアンパン部分から得ている可能性がある。

実際にアンパンマンがいた場合、顔を描いたアンパンが頭部部分に乗っているだけで、そこが喋ったり動いたりはしないだろう。

おそらく別にそういったことを司る場所があるはずだ。


飛ぶことができるのは、あのマントのせいなのだろうか。


ばいきんまんのUFOはおそらくSF作品で見られるような反重力的な動力だろうから、そういう技術が確立されているとなると、どこかにそういった動力があるのかもしれない。

アンパンマン号などを生み出せる科学技術力を鑑みるに、ジャムおじさんはパン職人であると同時に、超優秀な科学者・発明家で、アンパンマン、カレーパンマン、しょくぱんまんなどは彼に生み出されたロボットのようなものではないかと推測される。

彼らの内部には空中浮遊可能な反重力の動力源があり、頭部のパン部分をエネルギーとして活動する。


彼の人工頭脳には正義・愛・勇気といった人間の理想的な思考しかインプットされておらず、ならばばいきんまんのだまし討ちやウソを見破れない、なども頷ける。

つまり内面の葛藤や正義や愛に対する疑問、悪意への誘惑などはなく、疑うこともウソをつくこともないので、そういったことへの共感や耐性がないのではないか。


こういったことを総合して考えると、手塚治虫の鉄腕アトムと結構近いのかもしれない。

そういえばお茶の水博士とジャムおじさんもなんとなく似ている。


うーん、なるほどなー


しかしエネルギー源であるアンパン部分がむき出しで、もっとも狙いやすい頭部に乗っているだけというのは、治安維持を司るロボットとしては致命的な設計ミス、というか、ジャムおじさんほどの天才ならば、あえてそうしたとしか考えられない。

あえて弱い部分をさらけ出すことに、何か大事な意味があるのかもしれない。


アンパンマン、謎は深まるばかりである。

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