負け犬にアンコールはいらないけどアルコールは必要かもしれない

人は飲酒する。


「百薬の長」などと言われたりもするが、実際には酒を飲むことで、脳、身体機能の低下、記憶障害、嘔吐、頭痛、最悪絶命することもあり、飲み過ぎれば病気にもなるし、依存性もあるというとんでもない代物である。


それでも昔から人は酒を飲んできたし、ほとんどの人はそれをやめる気配もない。


もちろんアルコール依存症のようなレベルにまで達すれば話は別であるが、節度を守って飲酒する分には問題ない、とされている。


むしろ、その「酔う」という脳や身体機能を下げる特性により、他者とのコミュニケーションを円滑にする、という不思議な効果もある。


思うに、普段、人、特に大人と呼ばれる成熟した人間は、理性によって様々な枷をはめられており、それがあることによって社会生活を送れているのだが、酒を飲み、酔う、つまり脳や身体の機能を低下させることによって、その枷を緩め、その人の通常理性によって覆い隠されている部分を見せ合うことで関係を深めているのだと思う。


酒を飲んで豹変する人もいるし、普段なら絶対に言わないようなこと、やらないようなことをしてしまった、酒の上での失敗談、みたいな話もよく聞く。


つまり、酔うことによって通常の状態とは違った状態、自分自身を非現実化し、非日常的な体験を個人や他者と行う、一種のトリップ的なことをしているのだと思う。


そう考えると、酒が神様に捧げられたり、神聖な儀式の時に使われたりするのも納得がいく。


中島らもさんの「今夜、すべてのバーで」というアルコール中毒者についての小説があったが、その中で、アルコール中毒になる人というのはいわゆる酒好きではなく、酔うことによって現実逃避したい人、と書いてあった。


世間的に、酒をたくさん飲むことは特に悪いと言われないし、依存症や急性中毒などにならなければ、そんなに止められもしない。

むしろ酒に強いということが称賛されたりすることもあるが、飲酒で現実逃避をしたいのだ、と考えると、酒には強くても現実には弱い人なのかもしれない、とか思わなくもない。

(一概にはできないが)


自分は体質的にも酒に弱いし、日常的に飲酒をしたいと思わないということは、そこまで現実に対して逃避願望がない、とは言えないか(笑)


多分人にはそれぞれ合った逃避法があり、それがゲームだったり、音楽だったり、ドラッグだったり(違法だが)するのかもしれない。


しかし飲酒やドラッグというのは現実逃避の中でも強烈な方だと思うので、やっぱりあまりどっぷり浸かってしまうと、現実の生活に支障を来してしまう、ということは大いにありうると思う。


ということで、みなさん、飲酒やトリップはほどほどに…

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