地元の鳥取県立博物館で開催されていた「ニューヨークアートシーン」という展示へ行ってきた。(鳥取県東部には公立の美術館が無いので、美術系の展示は全て博物館でやる)
まず、県立博物館へ行ったのが久しぶりすぎて、入った瞬間にとてつもなく懐かしい感覚に陥った。
子供の頃親に連れて行かれて何か絵の展示を見たなーという位しか覚えがほとんどないんだけど、そこで感じた「文化の香り」というか、文化に対する原体験の記憶みたいなものが一瞬フラッシュバックして、「あーっ!!」って叫びはしないけど、気持ちだけはそうなった。
入場料800円という、東京などの展覧会へ行き慣れた感覚からするとかなり安い値段設定に(公立の美術館の企画展だと普通15、1600円くらいはするので)どうなんだろうかと思いながら入ったけど、とても良かった。
抽象表現主義からネオ・ダダ、フルクサス、ポップアート、ミニマルアート、コンセプチュアルアート、ニューペインティングまで広範囲に展示する内容で、本当にニューヨークのアートシーンの変遷がよくわかった。
とはいえ僕は浅い美術ファンなので、細かい専門的な言及は特にできないししないけど、良いなーと思える作品が多かった。(あととても空いてたのもとても良かった)
地元でウォーホルのマリリン・モンローやキャンベルスープの作品やリキテンシュタインの見たことのない作品を観れるとは思わなかったし、バスキアの作品も初めて生で観た。
でも特に良かったのはマーク・ロスコの黒い大きな作品。
前に立つと体全体が絵に包み込まれるような感覚で、しかも画面の上下にある白とオレンジの色面が膨張したり収縮したり、絵が動く!
以前千葉の川村記念美術館で見たロスコの作品もそうだったけど、同じような体験がまたできるとは思わなかった。
ブワーッと全身鳥肌が立った。
ずっと見ていたかった。(隣に別のお客さんがいたので退いたけど)
この体験はロスコの作品を目の前にした人じゃないとわからないかもしれないけど、本当にすごい。
ロスコは「絵画は奇跡を起こさねばならない」って言葉を残しているけど、現に奇跡起こってるよ!て感じで、見られて良かった。
他に印象に残ったのはトム・ウェッセルマンのコラージュ(これはウォーホルの作品専用といった大きな部屋に一点だけ飾ってあって、なぜか見た瞬間笑ってしまった)と海辺を描いた作品、ジョージ・シーガルの「コーヒーを注ぐウェイトレス」という立体作品、デ・クーニングやサイ・トゥウォンブリーのペインティング、アド・ラインハートという作家の禁欲的かつ宗教性を感じるような抽象画も良かった。
日本人作家の作品も後半にはわりとあって、草間彌生、荒川修作、杉本博司、河原温などなど…中でも篠原有司男の「将軍バー」という大きな作品が猥雑で、パワーを感じた。
博物館のコレクション展もやっていて、地元の作家や知らない作家の作品の中に突然ヴラマンクやクールベの作品が混じっていたり、自分の審美眼(というような大層なものでもないけど)を試されているような感じだった(でもやっぱり両氏の作品はとんでもなく良かった)
その後鳥取のメインストリート・若狭街道沿いにある「森の生活者」というベーグルカフェに行った。
残念ながらベーグルは売り切れていて、レモンケーキとコーヒーを頼んだんだけど、両方とてもおいしかった。(写真はないけど)
内装、器、音楽、雰囲気もとても好きで、すごくゆったりとした時間が流れているような、ずっと居たくなる店。
普段あまり行けないけど今日行けて良かったと思った。
なんだかんだ充実した連休1日目でした。
色々書きたいことが溜まっているのにどうしても今日の感想が書きたくてすっ飛ばしてしまった。
まぁ他のはそのうち書きます。それでは。
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